Gadget・PC Repair & Leather Craft Workshop

古いPCのOSを載せ替えて作る高齢者向け遠隔制御ZOOM端末

コロナウイルスの影響で、施設入居中の親族に会えなくなってしまった方も増えましたね。スマホやタブレット端末を扱える方であればTV通話を介してコミュニケーションを取ることができるのですが、なかなかそうは行かない場合も多いですよね。

そんな中、Qiitaで興味深い記事を発見しました。

電子機器の扱いに不慣れな高齢者に端末機を送付し、コンセント挿してスイッチを入れて貰うだけでZOOMミーティングに参加させることができるという物でした。

どうやって参加者の操作なしにZOOM接続を実現しているのかとても興味深かったのですが、どうやら相手の画面をこちらで遠隔操作することで実現しているようです。ZOOM自動接続の方法はないものかと調べていた自分にとっては、まさか相手端末を遠隔手動操作するなんて発想はなかったので目からウロコでした。

まぁ現実問題、Raspberry Pi4を送付して設置してもらうこと自体なかなかハードルが高いんですが、ノートPCなら電源を挿して本体を開きスイッチボタンを押すだけなので、ハードルが少し低くなるかもしれません。幸いウチにはHDDが壊れて起動しない古いノートPCが転がっていたので、上記記事を参考に同様の遠隔制御ZOOM端末を試作してみることにしました!

ハードウエア仕様

今回使用したPCは東芝のdynabook BX/31KKS。かつてWindows7が載っていた、メモリ2GBのシングルコアCeleron機です。こいつに無料の軽量OS「Ubuntu MATE」をインストールして生まれ変わらせます。(壊れていたHDDは中古パーツ流用で交換済)

ZOOMの動作要件はメモリ4GBですが、Ubuntu MATEならOS自体が食うメモリがwindowsに比べて格段に少ないので2GBでも十分行ける気がします。( 但しカメラとマイクは内蔵していないので別途取り付ける必要があります。)

上記マシンでなくとも、10年前くらいまでのPCなら大抵のもので同様の手順で作成できると思われます。詳しくはUbuntuMATEの動作要件をご確認下さい。

作業の概要

全体の作業の流れをざっくり書くとこんな感じです。

  1. Ubuntu MATEの入手
  2. インストーラーUSBメモリの作成
  3. 高齢者側PCへのUbuntu MATEインストール
  4. 高齢者側PCへのZOOMクライアントインストール
  5. 高齢者側PCへのVNCサーバのインストール
  6. 援助者側PCへのVNCビューアーインストール
  7. 仮想プライベートネットワーク「remote.it」への登録
  8. 高齢者側PCへのremote.itインストール
  9. remote.itに高齢者側PCを登録
  10. 援助者側PCからremote.itを経由したVNC接続

参考にしたQiita記事の手順からRaspberry Pi4セットアップ関連の作業が省けてちょっと楽になりました。その分Linux初心者でも分かるように詳しく説明することにしますね。では早速順を追って見て行きましょー。

Ubuntu MATEの入手

古いPCでもサクサク動く、無料の軽量OS「Ubuntu MATE」(ウブントゥ・マテ)を公式サイト https://ubuntu-mate.org/ からダウンロードします。まずはTOPページの「Download」をクリック。

ダウンロードページで64bit版か32bit版かを選択します。今回のPCに積まれたCeleron900は、Core2Duoのシングルコアバージョンで一応64bitOSにも対応しているようでした。Google Chrome等、32bitサポートを終了してしまっているアプリもあるので、今回は64bit版を選択しておきました。

バージョンを選択します。LTS(長期サポートバージョンは)18.04.4と20.04の二種類出ていますが、20.04はまだ出て日が浅いので、念の為実績のある18.04.4の方を選択しました。

ダウンロード方法を尋ねられるのでweb brouser経由を選択。

インストーラーイメージファイルのURLをクリックしてダウンロードを開始します。1.8GBあるのでダウンロードが終わるまでノンビリ待ちましょう。

インストーラーUSBメモリの作成

ダウンロードしたイメージファイルをUSBメモリに書き込むのに、windowsのコマンド画面やmacのターミナルでコマンド入力操作してもいいんですけど、ドライブ指定を間違えると自機の起動ディスクを消去してしまう危険があります。

最近はbalena Etcher(バレナエッシャー)という便利な無料USBイメージ書き込みツールがあるのでそちらを利用しましょう。

balena Etcher公式サイトへアクセスしてダウンロードボタンをクリック。

ダウンロードが終わったらインストールしておきます。

2GB以上のUSBメモリを挿し込み…

balenaEtcherを起動。「Select Image」をクリックして、先程ダウンロードしたUbuntu MATEのインストーラーイメージファイルを選択します。

USBメモリが正しく選択されていることを確認して「Flush!」をクリックすると、USBメモリの内容が消去されてインストーラーイメージが書き込まれます。

macの場合はパスワードが求められるので、ログインする時のパスワードを入力します。

USBメモリの書き込みが始まり黄色いプログレスバーが伸びていきます。

macの場合、書き込みが終わると唐突に警告メッセージが出ます。Linuxインストーラー形式で書き込まれているのでmacで読み取れなくても問題ありません。マウントもされていないのでそのままUSBメモリを抜いて大丈夫です。

「Flash Complete!」と表示されてるので終了させます。

高齢者PCへのUbuntu MATEインストール

作成したUSBメモリを高齢者送付予定のPCへ挿して、USBからPCを起動します。

HDDから起動してしまう場合や、ブートデバイスが見つからないと表示される場合は、電源投入時にF2キーやF12キーを押してBIOS設定画面を出し、ブートメディア選択順位設定を操作してUSBメモリから起動するように設定してから再起動して下さい。(詳しくは各PCメーカーのマニュアル参照)

今回の古い東芝dynabookを例にBIOSの設定を変更してみます。電源投入後に起動ロゴが一瞬表示されるので、すかさずF2キーを押します。

するとBIOSの設定画面が出るので「→」キーを4回押して「起動」という項目にカーソルを合わせ、「Enter」を押して起動メディア設定画面を出します。

起動時の読み込み優先順位を見るとUSBが最下位になってしまっているので、順位を上げます。USBが表示されていない場合は、先程作成したインストーラーUSBを挿してから電源を入れ直して下さい。

「↓」キーを数回押して、「USB」にカーソルを合わせます。

「F6」キーを押して、「USB」を最上段へ移動させたら、「F10」を押して設定を保存し終了します。その後PCが再起動して、USBメモリからPCを起動してくれます。

USBメモリからの起動に成功すると「Welcome」という画面が表示されます。左側の言語選択の一番下の「日本語」をクリックして画面表示を日本語に切り替え、「Ubuntu MATEをインストール」をクリックします。

キーボードレイアウト選択画面で日本語が選択されていることを確認して「続ける」をクリック。

インストール内容を訊いてくるので上記3つにチェック。アップデートをダウンロードするためにはネット接続が必要ですので予め接続しておきましょう。

準備ができたら「続ける」をクリック。

もともとwindowsがインストールされていた場合はwindowsを残すか、全部消してUbuntu MATEだけを入れるか訊いてきます。今回はHDD故障交換後で空っぽだったので上記の表示になりました。「ディスクを削除してUbuntu MATEをインストール」を選択して右下の「インストール」をクリック。

本当にHDDを消しちゃっていいのか最終確認してきます。「続ける」クリック。

タイムゾーンを確認されます。Tokyoが選択されていることを確認して「続ける」クリック。

任意のユーザー名やPC名、パスワードを設定します。ここで設定した内容は今後頻繁に使用しますのでメモしておきましょう。

また必ず「自動的にログインする」にチェックを入れて下さい。ここを間違えると、送付後のPCに遠隔ログインできなくなります。

入力が終わったら「続ける」をクリックするとインストールが始まります。30分くらいかかりますので、表示される機能紹介スライドショーを眺めながら待ちます。

インストールが完了したら「今すぐ再起動する」をクリック。

 再起動するとインストールメディアを抜いてENTERキーを押すよう指示されるので従います。

Ubuntu MATEのインストールが完了して起動しました!シャットダウンは右上の歯車マークから行います。

2回目以降は起動時にようこそ画面が出ます。「始めましょう」をクリックして最新のアップデートを適用します。

「更新をチェック」をクリック。

「今すぐインストール」をクリック。

OSインストール時に設定したアカウントパスワードを入力して「認証する」をクリックします。最新アップデートの適用が始まり、終了すると再起動を促されます。これで高齢者PCのOSのセットアップが完了しました!

高齢者PCへのZOOMクライアントインストール

次にZOOMクライアントアプリをダウンロード・インストールします。

画面左上のFirefoxブラウザのアイコンをクリックしてブラウザを立ち上げ、zoom.usにアクセスし、WEB最下部の「ダウンロード」の中の「ミーティングクライアント」をクリック。

Linux版Zoomクライアントダウンロードページが開いたら、「Linuxタイプ」のプルダウンメニューで「Ubuntu」を選択。

ブラウザのダウンロードオプションが表示されるので「Save File」を選択して「OK」クリック。

Firefoxブラウザは不慣れなのですが、どうやらダウンロード状況の確認は右上のアイコンをクリックするようです。

ダウンロードしたファイルは、デスクトップ上にあるホームフォルダの中の、ダウンロードフォルダに格納されてるみたいです。

ダウンロードしたファイルを右クリックして「GDebiパッケージインストーラーで開く」をクリック。

「パッケージをインストール」をクリック。

インストールが始まり、完了したら閉じます。

インストールが完了すると、画面左上の「メニュー」→「☆すべて」→「Zoom」から、Zoomクライアントを利用できるようになりました!

Linux版のZoomクライアントアプリの利用方法は、Windows版やmac版と変わりません。テスト通信をしてみましたが、メモリ2GBのマシンでも全く問題なく動作しました。

高齢者PCへのVNCサーバーインストール

高齢者PCからZoomを利用できるようになりましたが、利用者に代わって遠隔地からPCをリモート操作してあげるために「TigerVNC」というVNCサーバーをインストールします。

「メニュー」→「☆すべて」→「MATE端末」をクリックして、コマンド入力画面を出します。

↑こんな画面が出たら、$マークの右側に下記ののコマンドを入力して「Enter」キーを押します。

sudo apt-get update 

パスワードの入力が求められたら、Ubuntu MATEをインストールした時に設定したパスワードを入力してEnterを押します。(入力したパスワードは表示されません。)するとこんな表示が出ます。

パッケージリストが最新のものに更新されました。続けて下記のコマンドも同様に実行します。

sudo apt-get -y install tigervnc-scraping-server

こんな表示が出て、VNCサーバーがインストールされます。

次にVNC接続の為のパスワードを設定します。以下のコマンドを実行します。

vncpasswd

すると「Password:」と表示されるので、設定したいパスワードを入力してEnterキーを押します。(画面には表示されません。)確認のため、続けて「Verify:」と表示されますので、同じパスワードを入力してEnterキーを押します。(設定したパスワードはメモしておいて下さい。)

「Would you like to enter a view-only password(y/n)?」と訊かれるので、「n」と入力してEnterキーを押します。これでvncのパスワード設定完了です。

でもこのままでは、VNCサーバーに遠隔アクセスしてPCをリモート操作してもその様子が高齢者側PCのディスプレイに表示されません。高齢者がZoom画面を見ることができるように、下記のコマンドでTigerVNCの「x0vncserver」という機能を有効にします。

echo "x0vncserver -passwordfile ~/.vnc/passwd -display :0 >/dev/null 2>&1 &" >> ~/.xsessionrc

これで高齢者側PCはVNCサーバーを利用してリモートコントロールできるようになりました!お次は、このPCへ接続するための援助者側のPCの設定です。

援助者側PCへのVNC Viewerのインストール

次にリモートコントロールする側、援助者側のPCへVNC Viewerをインストールします。

https://www.realvnc.com/en/connect/download/viewer/にアクセスして、援助者側PCのOSを選び「Download VNC Viewer」ボタンからダウンロードします。インストール作業については画面の指示に従うだけなので割愛します。

VNC Viewerがインストールできたら、一旦自宅LAN内でのテスト接続のために高齢者側PCのIPアドレスを確認します。

高齢者側PCのターミナルで以下のコマンドを実行します。

ip a

すると以下のようにズラズラっとなんか表示されます。

下線を引いたところがipアドレスです。通常、家庭内LANに接続されている場合は「192.168…」で始まる番号が割り当てられています。VNCテスト接続に必要になるのでメモしておきます。

援助者側PCで先程インストールしたVNC Viewerを起動し、画面上部のアドレス欄に先程メモした高齢者側PCのIPアドレスを入力してEnterを押します。

本人確認失敗との警告が出ますが、気にせず「Continue」クリック。

接続が暗号化されていないとの警告が出ますが、気にせず「Don’t warn about this again.」にチェックを入れて「Continue」クリック。

VNCサーバーへのログイン画面が出るので、高齢者側PCにTigerVNCをインストール後にvncpasswdコマンドで設定しておいたパスワードを入力して「OK」をクリックします。

VNC Viewerの画面内に、高齢者側PCの画面が表示されました!接続直後はなんか色が変ですが、暫く放っておけば治ります。

援助者PCから、高齢者側PCの画面を見ながら遠隔操作できるようになりました!遠隔でzoomを起動することもできますし、歯車ボタンからシャットダウンさせることもできます!(シャットダウンすると接続が切れます。)

そしてx0vncserverのおかげで、援助者PCでリモート操作している画面がそのまま、高齢者側PCの画面にも同時表示されています!

仮想プライベートネットワーク「remote.it」への登録

同じ家庭内のLANに接続されたPC同士であればこれで良いのですが、高齢者用PCを施設や実家に送付した場合は別の系統のLANに接続されることになるのでこのままでは繋がりません。(ポケットWiFiやLTEドングルとセットで発送しても同様。)

そこで「Remote.it」というサービスを利用します。そうすると、別系統のネットワーク内にある機器でも自宅LAN内に接続されているかのように使えるようになります。Remote.itは個人での利用はなんと無料です!(商用利用は有料)

まずはアカウントを作成します。

https://remote.it にアクセスして「Sign up」をクリック。

メールアドレスを入力し、「私はロボットではありません」とプライバシーポリシー承諾にチェックを入れて「CREATE ACCOUNT」クリック。

登録したメールアドレス宛に6桁の認証番号が届くので入力し、パスワードを同じものを2回入力して登録します。

Remote.itのアカウント作成が完了しました!

次は、高齢者側PCへRemote.itをインストールして行きます。

高齢者側PCへのremote.itインストール

高齢者側PCのコマンド画面で下記2つのコマンドを実行し、作業用ディレクトリを作成してそこへ移動します。

mkdir -p ~/remoteitzoom/remoteit
cd ~/remoteitzoom/remoteit

Remote.itをインストールする前準備として、次に以下の3つのコマンドを順に実行してcurlをインストールしておきます。

sudo apt update
sudo apt -y upgrade
sudo apt install curl

するとこんな画面が出ます。

「続行しますか?[Y/N]」と訊かれるので「y」と入力してEnter。

curlのインストールが終わりました。

次に下記3つのコマンドを実行してRemote.itをインストールします。

curl -LkO https://raw.githubusercontent.com/remoteit/installer/master/scripts/auto-install.sh
chmod +x ./auto-install.sh
./auto-install.sh

するとこんな画面が出ます。

Remote.itのインストールが完了しました!

Remote.itに高齢者側PCを登録

インストールしたRemote.itを設定するため、以下のコマンドでメニューを表示します。(メニューと言っても文字表示ですが…)

sudo connectd_installer

するとチェック動作表示のあとに、こんな文字ベースのメニュー表示が出ます。

サインインのため「1」と入力してEnter。

Remote.itのユーザーネームを訊かれますので、援助者側PCでRemote.itのサイトでサインアップしたときのメールアドレスを入力してEnter。

Remote.itのパスワードを訊かれますので、援助者側PCでRemote.itのサイトでサインアップしたときのパスワードを入力してEnter。

このデバイスに名前を付けてくれと言われるので、後でこのPCを識別できるように適当な名前を打ってEnter押します。半角のアルファベット・番号・下線・スペースとダッシュ記号が使えるみたいです。

サインインしてメインメニューが出ました。

新規サービス登録したいので「1」を押してEnter。

VNCを登録したいので「4」を押してEnter。

VNCの使用ポートは5900番でいいか?と訊いてくるので「y」と入力してEnter。

VNC接続に名前を付けろと言われるので、適当に名前をつけます。ここでも使える文字は半角アルファベット・番号・下線・スペースとダッシュ記号との事。

VNCの登録が終わってメインメニューに戻ってきました。終了するので「5」と入力してEnter。

ホントに終了したいの?と訊かれるので「y」と入力してEnter。

これで高齢者側PCのRemote.itの利用準備が整いました!
PCの電源が入っててネットに繋がっていれば、自宅LANからRemote.it経由でリモート接続が可能です!

いよいよ接続!

一通りのセッティングが完了したので最終テストです。同一LAN内からではRemote.itのテストにならないので、片方の端末はモバイル回線経由で繋げる等、別ネットワークに接続してみて下さい。

今後発送済みの高齢者側PCとZoomを利用する際にも、以下の手順でリモート接続しますので手順を覚えましょう。

① 高齢者側PCの電源を入れてもらう

何らかの方法でネット接続済・カメラとマイクも接続済の前提です。

② 援助者側PCで「remote.it」へアクセスして相手PCの状態を確認

「Sign in」をクリック。

Remote.itに登録したアカウントでサインインします。

登録したPCのリストと状況が表示されます。

上記のように「Status」の欄が「OFFLINE」と書かれてグレーアウトしている場合は、相手のPCの電源が入っていないか、インターネットに接続されていません。連絡を取って電源を入れてもらうか、LANケーブルを挿してもらう必要があります。

無事に相手のPCが起動してRemote.itに自動接続されている場合は「CONNECT」と書かれたグリーンのボタンが表示されています。

③ Remote.itでVNC接続アドレスを確認

「CONNECT」というグリーンのボタンをクリックすると、登録していた接続名がプルダウン表示されるのでクリック。

VNC接続先のアドレスとポートが生成されるので、VNC Viewerで接続するために一番下の項目をコピーします。

④ VNC Viewerにアドレスを貼り付けて接続!

援助者側PCでVNC Viewerを起動し、アドレス欄に先程コピーした内容を貼り付けてEnter。

通信が暗号化されてないよと注意書きが出ますが、気にせず「Don’t warn me about this again.」にチェックを入れて「Continue」クリック。

VNCサーバーの認証画面が出るので、Passwordの欄にTigerVNCをインストールした時に設定したパスワードを入力して「OK」クリック。

無事に高齢者側PCの画面に遠隔接続することに成功しました!

最初画面の下に赤く、通信内容が暗号化されていない旨警告表示が出ますが、すぐ消えます。画面の色も変ですが、通信状態が良ければ暫く待つと直ります。もし直らなくても、高齢者側PCの画面は正常な色で表示されているので心配いりません。

⑤ 高齢者側PCを遠隔操作してZOOMへ接続!

あとは通常のZoomの使い方と同様です。

画面左上の「メニュー」→「すべて☆」→「ZOOM」からZoomクライアントを起動し、会議室IDと参加者名を記載して「Join」をクリックします。

ミーティングパスワードを入力して「Join Meeting」をクリックしたら…

遠隔制御でのZOOM接続に成功しました!

ZOOMでの会話が終わったら、普通に退出してZoomクライアントを終了させます。画面右上の歯車マークからシャットダウン操作をすれば、高齢者側PCの電源を落とすこともできます。

電源が落ちるとVNC接続が切断されて、上記のような画面が表示されてアイコンがグルグル回りますが、気にせずVNC Viewerを終了させてしまって大丈夫です。

場合によって追加で必要になるもの

実家や高齢者施設にインターネットが通っていて有線LANが使えれば一番いいのですが、そうでない場合はWiFiドングルをセットして発送するのがオススメです。

格安SIMのIIJmioのファミリープランを契約しておけば、基本料そのままでSIMカード5枚まで増やせるので、上記ドングルに挿しておけばUSB端子に給電されるけでWiFiが飛びます。高齢者側PCにSSIDとパスワードをセッティングして発送しておけば、PCの電源を入れるだけで連動してネット接続できるようになります!

※注1. 必要ギガ数の参考までに、Zoomは1時間で1GB近く通信します。

今回の試作で使用したPCもそうでしたが、カメラやマイクを内蔵していないPCの場合は、追加接続しておく必要があります。

あとがき

私の周囲でも、施設が面会禁止で人とコミュニケーションが取れずにいたら痴呆が進んでしまったとか、会えずにいる間に息子の顔を忘れてしまったという話も聞きます。遠隔制御ZOOM端末が普及して、切ない出来事が少しでも減るといいですね。


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