テント内でのストーブ使用は一酸化炭素中毒の危険があるためメーカー非推奨です。使用される場合は十分に対策を講じた上で自己責任でお願い致します。
前回の記事では、格安のアウトドア用薪ストーブを入手して、火災防止のためのスパークアレスターを100円ショップ材料で製作しました。
薪ストーブをテントで使用する際はもう一つ火災対策が必要になります。煙突の熱でテントが燃えてしまわないように断熱する「幕よけ」とか「2重煙突」と呼ばれる煙突カバーです。コンパネやOSB合板で大きな幕よけを製作して煙突を横出しにされている方をネットでよく見かけますが、できればキャリーバッグに収まるコンパクトで軽量なものが欲しいところです。
そこで今回は、市販のラス網と、100均で購入したレンジカバーを使って断熱煙突カバーを製作し、前回製作したスパークアレスターと共に性能テストを実施してみたいと思います。
一般的に火傷防止の煙突カバーとして使用されるラス網は、普通に市販のものを購入しました。
鈴文というメーカーのもので通販で購入すると高いのですが、地元のホームセンターで3,600円くらいでした。ネットを検索してみると、千円前後の傘立てをグラインダーでぶった切って作っている人もチラホラ見かけますが、そこまで高いものでもないので素直に市販品を購入しました。
単なる火傷防止であればラス網で充分なのですが、薪ストーブの煙突は強烈な輻射熱を発し続けます。
サーモンバンテージという耐熱ガラス繊維でグルグル巻きにしてる方や、ニチアスのセラカバーという配管用断熱材で煙突をカバーされている方もおられますが、先人たち曰く300℃前後にもなる熱は長時間は防ぎきれずいずれじわじわ表面へ伝わって来るようです。
一方、もう一回り太いステンレス煙突を用意して浮かせてカバーし、2重煙突としている方々の結果は概ね良好なようです。2枚の煙突の間の空気層が断熱してくれる上に、2枚目の煙突が輻射熱を反射してくれるようです。
以上の先人たちの試行錯誤の結果を踏まえると、要は空気層を確保して輻射熱を反射できれば良いようです。
ステンレス煙突より安価で軽量な、100均レンジカバーで代用できるのではないかと思い早速試作してみることにしました。
ラス網の長さでレンジカバーをざっくり切ります。
ヘリで手を切らないようにヘリ返しをして、ラス網を煙突に固定するネジの間に収まる幅に整えます。
レンジカバーを折りたたんでハリセン状にして行きます。定規とかあるとやりやすいかも。自分は余ってたモール材を使用しました。
効率よくサクサク折っていくやり方が写真ではうまく説明できないので動画で載せておきます。
こんな感じでキレイにハリセン状に畳めたら・・・
ラス網の上に広げて、左右の端はラス網に噛ませます。
そのままラス網を煙突に取り付ければ完成!恐らくコレで煙突から放出される強烈な輻射熱を反射して封じ込められる筈!
上から見るとこんな感じ。レンジカバーが煙突と接触する面積を極力減らし、ラジエーター効果でレンジカバーが冷却され、内側の空気層は上昇気流で換気され続けて熱気がこもらないという寸法です。
念の為外側は不燃カーボンフェルトで巻き、余っていた革床をヒモ状に切り出してくくりつけてみました。
新品の薪ストーブは初回使用時に表面の耐熱塗料から煙と異臭が立ち込めるらしいので、まずはベランダで火入れを行いながら断熱性能を確認してみたいと思います。
点火ぁ!
薪ストーブ表面から煙が立ち込め、プラスチックが焼けるような臭いがして耐熱塗料が定着していきます。
煙突の温度もぐんぐん上昇し、270℃前後で落ち着きました。
一方、製作した煙突ガードの表面温度は33℃!
煙突ガードの中心部分を測ってみても21℃!断熱性能は充分のようです!
昨日ダイソーのザルで製作したスパークアレスターの性能も確認します。
ススで目詰まりするかどうかのギリギリの目の細かさだったのですが、やはり薪がはぜると少々火の粉が飛びます。
しかし一瞬で消える程度の極小の火の粉しか出ないので、テントに穴を開けたり落ち葉に引火したりと言った心配はなさそうです。
薪一束分燃焼してみた範囲では順調でしたが、やはり目が細かすぎて長時間の使用ではススが詰まりそうな雰囲気ですね。一旦ザルを取り出してポンポンと叩けばススが落ちて目詰まりはきれいに取れました。本当はダイソーの味噌こしくらいの目の粗さが良さそうですが、何かうまい固定方法があれば良いですね。
幕よけ煙突カバーの方は、100均レンジカバーの煙突に接していた部分のみ少々黄ばんでいましたが問題なさそうです。
幕よけ煙突カバーですが、開いた状態でならばストーブと一緒にキャリーバッグに収まりました!
ファスナーも余裕で閉まります!
幕よけ煙突カバーについては、断熱性能も耐久性も可搬性も申し分ない物が出来ました!!
スパークアレスターについてはもうちょっと改良の余地がありそうなので、またコスパの良い案が思いついたら作ってみます!!
折角なので、性能テストと並行してニトリのダッチオーブンで芋焼いてみましたが、焦げ付きもなくしっとり柔らかな芋が焼けました!