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Macbook ProのSSDを安価で大容量なM.2 NVMe SSDに換装

我が家のMacbookProはLate2013モデルなのですが、もう長いこと慢性的なストレージ不足に悩まされております。

WindowsPCのように気軽にSSD交換できればよいのですが、Retina化されてからのMacbookProは安価な汎用パーツが利用できなくなっていました。

ところが!最近はどうやら社外パーツが利用できるようになったらしいので、早速我が家のMacbookProのSSDも大容量なものへとアップグレードを図ってみたいと思います。

Macbook ProのSSDの端子形状

MacbookPro Late2013搭載のSSDの端子形状は、当時「ガムスティックコネクター」と呼ばれた12 + 16pinの独自形状端子です。

この端子のSSDを1TBのものに交換するために、以前はビンテージコンピューター等の米国の店から、Apple純正パーツを12万円以上かけて購入する必要がありました。(現在は半額くらいになっています。)

2017年にはトランセンドからJetDrive825というMacbook専用SSDが発売されましたが、発売当初は960GBで9万円超え。とても手が出せませんでした。(現在はこちらも値下がり中。)

汎用SSDの変換アダプターが出てた!

そんな訳でMacbookのSSD交換はほぼ諦めていたのですが、昨今の半導体相場の急激な下落で、純正SSDが値下がりしてないかな?とググっていたところ、MacbookPro/Air用 M.2 NVMeアダプターがAmazonに並んでいるではありませんか!

なんと市販の安価で高性能なM.2 NVMe SSDをMacbookで使用することが可能になっていたようです!

商品レビューを読むと、スリープ時にOSがストレージを見失ったり、Bootcampが使えなかったり、熱でショートしたりする人もいるようですが、問題なく使えているという人もいます。

どうやら購入するアダプターや使用SSDによって動作にかなり差があるようです。価格もピンキリで、各アダプターのレビューを読み込んでも、一体どのアダプターを選べばよいのやらさっぱり絞り込めません。

各アダプターの検証結果がMacRumorsにまとめられてた!

米国のテックサイト「MacRumors」のフォーラムに、人柱となった猛者たちの結論がわかりやすくまとめられていました。

Lot of adapters have been tested in this thread, but in one sentence :
always buy an Apple to M.2 adapter from Sintech

(実に多くのアダプターがこのスレッドで試されてきたが、結論はこの一言に尽きる。『いかなる時もSintechのアダプターを買っておけ。』)

forums.macrumors.com

との事。

まぁSintech製アダプターと言っても何種類かあるのですが、筆頭に挙げられていたAmazonリンクの商品はコレでした。

日本Amazonではあまりレビューされていませんし、いかにも中国語から機械翻訳したような商品説明文がまた不安な気持ちにさせますね…。

しかし今後macOS側でなんらかの対応変化があっても、きっとMacRumorsの猛者たちが活路を見出してくれると期待して、このアダプターを購入してみることにしました!

M.2 NVMe SSDの選定

Appleが純正パーツで採用しているのがSamsung社製なので、同社最新の「970EvoPlus」あたりが相性いいかも?と思ったのですが、Amazonレビューを読むと使えなかったMacbookProユーザーの書き込みが散見されます。

※ 2020年5月30日追記

MacRumorsによれば、その後ファームウェアがアップデートされて以降は使えるようになっているとの事。

しかしせっかく高性能なSSDを購入しても、Macbook側のPCIeスロットのリンク速度が対応していなければ意味がありません。調べてみるとMacbookPro Late2013のPCIeスロットのリンク速度は5GT/sでした。MacRumorsの猛者たちのベンチマーク結果を見る限りは、せっかく高性能なSSDを積んでも1600MB/s程度のスピードしか出ません。(それでも純正に比べたら倍のスピードですが。)仮にSamsung 970EvoPlusが使えても3500MB/sという性能の半分も活かせないようです。

2019年9月現在、Amazonで一番安い1TB M.2 NVMe SSDはCrucialのP1ですが、シーケンシャルリード2000MB/sと、macbook側のボトルネックを余裕で超える性能があります。NVMeプロトコルのバージョンは1.2なのでmacOS側も対応してそうです。AmazonレビューでMacbookPro 2013での利用実績もあるようですし、このSSDを採用することにしました。

工具も準備

MacbookProの外装とSSDにはそれぞれ特殊なネジが使用されています。

外装はペンタローブネジのP5(五角形の星形)、
SSDはトルクスネジのT5(六角形の星形)が使用されています。

Amazonでセットで安く売っていたので一緒に注文しておきました。

換装作業の下準備

SSD換装後の空っぽのMacbookを起動して、新SSDのフォーマットとmacOSのインストールをするには、インストーラーの入ったUSBメディアを用意する必要があります。

App StoreでmacOS Mojaveのインストーラーをダウンロードします。

ダウンロードが終わってこの画面が出たら、「続ける」は押さずに

画面左上の「macOS Mojaveインストール」→「macOSインストールを終了」をクリックしてインストーラーを終了させます。

アプリケーションフォルダに「macOS Mojaveインストール.app」があることを確認して、

7GB以上のUSBメモリを用意して、あとでターミナルで打ち込みやすい半角英字の名前にボリューム名を変更しておきます。(どのみちインストーラー書き込み時に変更されます。)

ここでは仮に「MOJAVE」としておきます。

sudo /Applications/Install\ macOS\ Mojave.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MOJAVE --nointeraction --downloadassets

ターミナルを起動して上記コマンドを実行します。
/Volumes/の後の「MOJAVE」の部分は、先程USBメモリに付けたボリューム名に置き換えて下さい。

しばらく待つと、USBメモリがフォーマットされ、追加のアセットがダウンロードされ、インストーラーが書き込まれて、ボリューム名が「Install macOS Mojave」に変更されます。

インストーラーの入ったUSBメモリが完成しました!

いよいよSSDの交換作業!

macbookを裏返して、P5のペンタローブドライバーで10本のネジを外します。

ヒンジ付近の2本だけ長さがすこし短いので、外したネジは元の場所がわかるように保管します。100均のマグネットシートにくっつけておくと紛失しません。

カバーを開けたらまず、ネジを落としたりドライバーが当たったりして不慮の基盤ショート事故を起こさないために、バッテリーコネクターを外しておきます。

右側中央部分の警告シールをそっと剥がします。

シールの下のバッテリーコネクタを、樹脂製のヘラ等でめくってパチンと外します。ショート事故の元になるのでマイナスドライバー等の金属製工具でめくってはいけません。

外したコネクターが不意に接触しないように、先程剥がした警告シールを挟んでおくと良いかもしれません。

ロジックボード右上に純正SSDが装着されています。

SSD左側がT5のトルクスネジ(六角形の星型)で固定されているので外します。

左側を少し持ち上げて、左へ引っ張って外します。

新しいSSDにSintech製のアダプターを装着してPCIeソケットに挿します。
でもあれ?長さが合わず、SSD左側をネジ固定することができません。

PCIeソケットへのアダプターの刺さり方が甘かったようで、改めてアダプターだけでグッと差し込んでみたところ、さっきより深く刺さりました!

SSD固定ネジの穴もピッタリの位置になりました!

あとは元通り組み上げて、お次はSSDの初期化です。

新SSDの初期化

あらかじめ作成しておいたmacOSインストーラーUSBメディアを挿し、optionキーを押しながら電源投入。起動ディスク選択画面でUSBメディアを選択。

macOSユーティリティが立ち上がってメニュー表示されるので、まずは一番下のディスクユーティリティを起動します。

ディスクユーティリティ画面左ペインの最上部の新SSD名をクリックし、画面上部の「消去」をクリックしてフォーマットします。

フォーマット選択画面では、名前にボリューム名、フォーマットは「APFS」、方式は「GUIDパーティションマップ」を選択して「消去」をクリックします。

無事にフォーマットが成功しました!

ディスクユーティリティを終了してmacOSユーティリティ画面に戻ります。

外付けHDD等のTime Machineバックアップからリストアする場合は1番目を、

macOS Mojaveを一旦クリーンインストールする場合は2番目を選択して実行します。

OSインストール後の動作について

Time Machineバックアップから旧SSDの内容をリストアして利用していますが、いまのところ不具合らしき事象はありません。スリープも普通に解除できます。Bootcampは元々利用していなかったので試していませんが、VirtualBox上で動作させているWindows10の動作は明らかに以前よりサクサク快適になりました!!

ベンチマーク結果比較

Apple純正SSD

Crucial P1

macbook側のPCIeスロットのリンク速度がボトルネックとなり、新SSDの性能を十分に発揮できていませんが、それでも従来の純正SSDの2倍のスピードが出ています!!

2021年10月28日追記

この記事を書いてから2年。遂に容量2TBで2万円を切るNVMe SSDが出回るようになりました!

ウチのCrucial P1も残容量僅少になって来たのでそろそろ買い換えようかな…。

「なんぼ安くても書き込み耐性が100TBWしかないのはちょっと」という方はやっぱトランセンドですかね。書き込み耐性がダントツの4400TBWを誇って5年保証!2.8万円くらいであまり値段下がらないですけどね。。

この記事を書いた時点ではまだmacで動作しなかったSumsung社製970 Evo Plusも、その後ファームウエアがアップデートされてmacで動作可能になっているようです。書き込み耐性1200TBWで5年保証。Apple純正採用のSumsung社製がいい方はコチラ!


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