昨年は災害停電時の不便さを痛感し、非常用ポータブル電源をDIYで安価に製作しました。当初はたまたま持っていた車載用120W矩形波インバーターを流用していたのですが使えない家電も多く、その後Amazonで1500Wクラスの正弦波インバーターを購入していました。
そして今年もいよいよ災害シーズン。停電に備え、昨年購入したインバーターを引っ張り出して稼働テストしてみたのですが、これがウンともスンとも言いません!
今回は、そんな中華インバーターがあっけなく復旧するまでの顛末記です。
正弦波インバーターは矩形波インバーターの倍以上値が張ります。しかし安価な矩形波インバーターは不具合の出る家電製品が意外と多いのです。
参考までにウチにあった120W矩形波インバーターでの動作実績を以下に記載します。
白熱灯 | ◎ 問題なく点灯。 |
蛍光灯 | × 点灯せず。 |
LED電球 | ○ 問題なく点灯するが、「ジー」という異音。 |
扇風機 | ○ 問題なく動作するが、モーターから「ヴィー」という異音。 |
ファンヒーター | ○ 問題なく動作するが、モーターから「ヴィー」という異音。 |
iPhone電源アダプター | △ 充電できるが、その間タッチ操作がカクカクして使い物にならない。アダプターからは「ジー」という異音。 |
macbook電源アダプター | △ 充電できるが、その間マウスカーソルがカクカクして使い物にならない。アダプターからは「ジー」という異音。 |
電気毛布 | × 全く温まらない。 |
本当はキャンピングカーでよく使われている、COTEKとか電菱の国産正弦波インバーターが欲しかったのです。電子レンジ使えますしね。
でも高い!
中華インバーターより信頼性は高いとは言え、ググると故障例が無い訳ではなさそうです。
そこでAmazonの激安中華インバーターの中でもレビューが良さげなEDECOA製品を採用することにしました。価格は国産インバーターの半額以下!Amazonの商品説明部分には1年保証との記載もあります。
リモコン付属で、市販のLANケーブルを利用して遠隔操作できるのも決め手になりました。充電中に水素の出るクルマ用の開放型バッテリーはなるべく室内運用したくありません。バッテリーとインバーターを換気可能な防水ケースに収納して屋外に設置し、室内にLANケーブルを引き込んでリモコンだけ屋内運用できます。
他ブログやyoutubeで稼働実績が散見されるLVYUAN製やIpowerBingo製の中華インバーターのほうがコンパクトなのですが「デフォルト120V出力で、蓋を開けてポテンショメーター回せば100Vに調整可」というレビューが気になり採用を見送りました。
冬季停電に備えて電子レンジ・FFガスファンヒーター・エアコンの稼働が可能であるかを確認しました。一気に大電流を取り出すため、稼働テストにはクルマ用の115D31Lバッテリー(劣化品)を使用しています。45Ahのシールドバッテリーは大電流出力には不向きの為テスト使用は見送りました。
結果は以下の通り。
電子レンジ | 500W | 問題なし |
600W | バッテリー電圧低下警報がなるが動作 | |
FFガスファンヒーター(80W) | 問題なし | |
エアコン(100〜1,000W) | 室外機始動後数分間はバッテリー電圧低下警報が鳴るがその後問題なく動作 |
使用したバッテリーがクルマを始動できなくなった古バッテリーだったので、600W以上の家電を使用すると電圧降下が発生して供給電圧が11Vを割り込んでしまい、インバーターの電圧低下警報がピーピー鳴る状態でした。それでも電子レンジの600Wモードは動作していました。
さすがにエアコンはフルパワーにするとバッテリー電圧が10.8Vを切って、インバーター側のバッテリー保護回路が作動して電源が切れる状態でした。100A以上出力できる元気なバッテリーで、38sqクラスの極太バッテリーケーブルを使用すれば問題なく動くと思われます。
その後RVボックスに収納してバッテリーと共にベランダ保管していたのですが、購入後9ヶ月経って久しぶりに引っ張り出してみたところ…
Long社のシールドバッテリーWP45-12を接続してスイッチをONにしても、インジケーターライトも液晶のバックライトも一切点灯しません。
念の為リモコンからも電源ONを試みましたが反応せず。
バッテリー切れかと思って電圧をみると、ちゃんと12.7Vあるので残量は90%近くありそうです。
裏面のヒューズアレイの7つのヒューズを全て確認してみましたが…
特に切れているヒューズもありませんでした。
Amazonの商品ページには「品質保証:一年間」の表記があるのですが…
Amazon側の返品交換期限は購入後90日なので、購入履歴画面から「商品の返品」ボタンは消えています。
そこで商品ページの販売者リンクをクリックして、
ストアフロント画面の「質問する」ボタンから、メーカーへ返品交換希望の旨連絡を取ってみました。
2日後、メーカーからの返信で「バッテリーは完全に充電されていますか?」と確認されました。
残量90%程ではありましたが、満充電ではありませんでした。
そこで、ベランダでソーラーパネルに繋いで水耕栽培ポンプを稼働させていたクルマ用の115D31Lを外してきて、試しにインバーターへ繋いでみます。
電圧は13V超え!満充電もいいところ。
すると、ピーッというビープ音と共にインバーターが息を吹き返しました!
一旦起動した後は、再度12.6VのWP45-12に接続し直しても問題なく稼働するようになりました。
どうやら長期間使用していなかったEDECOAインバーターを起動する際は、13V以上の電圧で起こしてやらなきゃいけなかったようです。
15Vで過電圧アラームが鳴って稼働停止する仕様なので、非常時はソーラーパネルとチャージコントローラーを使って一旦13V〜14Vを入力して叩き起こしてやらなければならないようです。ちょっと防災用には向かないですね…
メーカーにはその旨報告して対応を終了して貰いました。
これから購入を考えてる方、または購入したけど起動しなくてお困りの方、どうぞ参考になさって下さい。
・・・あぁ、やっぱりCOTEKとか電菱の1500W正弦波インバーターがいいなー。高くて買えないけど。