Gadget・PC Repair & Leather Craft Workshop

Appleの”探す”アプリを利用した車両盗難対策GPS発信機

近頃Twitterのタイムラインで「車を盗まれました!拡散希望!」「防犯カメラ映像を公開します!情報求む!」といったツイートを多く目にします。

目撃情報や防犯カメラ映像が多く寄せられているにも関わらず、警察が動いてくれず犯人逮捕や車両発見に至らないというケースも珍しくありません。

そこで車両買い替えを機に、古いiPhoneを再利用したGPS発信機を作って設置してみることにしました。

市販のGPS発信機はランニングコストが高い!

車両位置を携帯電波で発信して、WEBマップ上でリアルタイム確認できる既製品はいろいろあります。

浮気調査・徘徊見守り・勤怠管理用のものと思われますが、大体どこのメーカーのものもランニングコストが年間3万5千円前後するようです。携帯端末の年間回線利用料を考えると仕方ないのかもしれません…。

ランニングコストをかけずに通信端末を増やす方法

ウチのスマホは格安simのIIJmioを利用しているのですが、ファミリープラン利用時は家族2人分の音声SIMに加えて、データ専用SIMを1枚増やしても毎月の追加料金がかかりません。(増やした時1回だけSIM追加手数料2,000円はかかります。)

今回はこの月々無料の追加データSIMを、ピクセラのPIX-MT100というUSB WiFiドングルに装着して、ランニングコストを一切かけずにネット通信してみます。

(※ ちなみにこのピクセラPIX-MT100は、以前の記事で紹介した中華androidカーナビをネット接続するのに使用していたものです。)

古いiPhoneの活用

そして幸いウチには、使わなくなった古いiPhone5sも眠っていました。

Appleの端末は、インターネットにさえ繋がっていればiOSの”探す”アプリや、icloud.comの”iPhoneを探す”の画面で位置情報を知ることができます。

眠っていたiPhoneは古い端末でSIMロックも解除できないため、ピクセラのPIX-MT100から出ているWiFi経由でネット接続することにします。

車両バッテリーを保護しつつ常時電源確保

エンジンが停止している間も自車位置を発信し続けてもらうためには、バッテリーに直接繋がった線から電源を取る必要があります。でもその場合、何日間も駐車し続けているとバッテリーが上がってしまう恐れがあります。

そこで、車両バッテリーが減ってきて電圧が11.6Vを切ったら自動的に電源を遮断してくれる、バッテリー保護回路付きアダプターケーブルを探してみました。

昔は許容電流が低い製品がサンコーレアモノショップで手に入る程度でしたが、最近はドライブレコーダーの駐車中監視需要の高まりを受けて、許容電流2AくらいのUSBアダプターがわんさか流通しています。

ドラレコ用のアダプターの多くは出力がmini-USBタイプなので、通常のUSB端子へ変換するメス→メスタイプのアダプターが必要です。

あわせて、iPhone5sとPIX-MT100の両方へ電源供給するため、小型USBハブも用意します。

購入した諸々の線材を接続するとこんな感じになりました。これらをプチプチとテープで巻いて、車両内の適当な隙間にねじ込むことにします。

車両からの常時電源取り出し

電源確保のために、助手席の足元を覗いてヒューズボックスを探してみます。

車種は20系ヴェルファイアハイブリッド(ATH20)です。

ありました!(矢印)
電源のマイナス側も確保するため、丸印のネジも外して、キックパネルも手前に引っ張って外しておきます。

20系ヴェルファイアの取扱書で使えそうな常時電源を調べてみると、19番のパワーウインドウ用のヒューズが20Aと一番容量があって良さそうです。

ペンチで引っ張って抜こうとしたところ固くてヒューズの爪が欠けてしまいそうだったので、エーモンのヒューズ抜き工具を買って来ました。100円くらいで売ってますがコレがあるとヒューズを壊さずすんなり抜けます。

ヒューズ電源→USBアダプターに付属してきた電源取り出しケーブルの中から、適合する規格のものを探します。

20系ヴェルファイアには、どうやら「低背ヒューズ」と呼ばれる種類のヒューズが使用されているようです。写真一番上のケーブルが適合しました。

ソケットのオス端子側に車両から抜いたヒューズを取り付け、ケーブル側に電源アダプターに付属してきたヒューズを取り付けます。そしてこのケーブルをギボシ端子で電源アダプターに接続します。

そしてこのケーブルを、車両側の元々ヒューズが刺さっていたソケットに挿し込みます。これでプラス側電源はOKです。

マイナス側のクワ型端子は、助手席側キックパネルを外したところに金属ボディに留められたボルトがあったのでそこに留めておきました。

グローブボックスを外してみると、左上の奥の方に隙間があったので、iPhoneやWiFiドングルや電源アダプターを丸めてプチプチで巻いて適当にねじ込んでおきました。

あとはグローブボックスやキックパネルを戻してしまえば、GPS発信機がついてるかどうか外見上わからなくなります。

実際に自車位置を確認してみる

iPhoneに入っている”探す”アプリ

不足したパーツを買いに走れるよう、近所のカー用品店の駐車場の片隅で作業してましたが、エンジンを切っていてもバッチリ自車位置が発信されとります。

macOSの”探す”アプリ

macの”探す”アプリでも行方を追えます。AppleMap上で1分に1回くらい位置情報が更新されます。

iCloud.comの”iPhoneを探す”

windowsやandroidからでもブラウザで行方を追うことができます。iCloud.comにアクセスしてAppleIDでログインし、「iPhoneを探す」というアイコンをクリックすると自車位置を確認できます。

これで車を盗まれて警察が捜索してくれなくても、国外へ持ち出されたり車をバラされたりするまでの間は行方を調べることができそうです!万一バッテリーを外されても、最後の発信地点は特定できます。

あとはその先どこまで警察が動いてくれるかですね…。


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